ポールを突く位置が安定しないことの原因の一つは、手のひらが進行方向と平行になっていないこと、手のひらの中でポールのグリップが暴れる(勝手に動く)ことにある。
それをチェックするには、ポールを握らず、腕を前に出してみればよい。
上の写真のように、手のひらが下を向いている場合、ポールを握っている時と握っていない時とで手のひらの方向が変わり、ポールを握る度に手首が回転してしまうことになる。結果としてポールを突く方向が不安定となる。
握っていない時も手のひらが体側と平行となるよう、写真の矢印のように手首を回転させる必要がある。
つぎに、親指と手のひらの間にポールのグリップを挟んでみよう。そうすると、ポールを握っていない時でもポールは手のひらの面上で回転するようになり(写真の矢印のように回転回転するのみとなり)、結果としてポールを突く位置が安定することになる。
ただし、ポールを握るのをやめるときにポールを挟んでいる親指も開放してしまうと、ポールは暴れてしまう。
その対策として、ポールを握るとき、薬指・小指に力をいれてにるようにすると、ポールを握る/離す間でも親指で絶えずポールを挟んでいることができる。
このような握り方は、腕をリラックスさせる効果もある。試しに、親指・人差し指に力を入れてポールを握り、ポールを左右に振った場合と、薬指・小指に力をいれてポールを握り、ポールを左右に振った場合とを比較してみると、後者の方が明らかにリラックスして手首が左右に振ることができることを実感できるはずである。
なお、薬指・小指に力を入れる方法は、剣道で竹刀を握る時の「小指半掛け」と共通することが多い。「小指半掛け」によって、手首の可動域が広がり、竹刀操作の柔軟性が高まるといわれている。
次に、上記のようなことをしても、気が付くと手のひらが進行方向と平行になっていない場合の対処方法について説明する。
上図(a)のように、猫背で骨盤が後ろに倒れている場合、お化けのような姿勢になり、手の甲が前を向いてしまうことになる。
そのような場合、上図(b)のように体幹を一直線にし、骨盤を前方に向かって起こしてみよう。少し胸を張るイメージでもよい。そうすると、手のひらは自然に進行方向に平行になる。